「駐車場で、車をぶつけられた!」
友人から、すごい剣幕で電話がありました。
というのも、私は自動車修理工場に勤めており、
普段から、友人の車のメンテナンスを任されて
いるんです。
興奮してる友人の話を聞くと、当て逃げの様子。
かろうじて、目撃していた人が、親切にも
車のナンバーだけは控えてくれていた、とのこと。
「修理して欲しいのは山々なんだけど、自分の
車両保険を使うだなんて、腹が立つ!
絶対にぶつけた犯人を見つけて、相手の保険から
修理代を払ってもらうんだから!」
怒りが収まらない友人が、更にこんなことを。
「そうだ!陸運局行けば、簡単にナンバーから
車の持ち主が調べられるよね?」
ちょっと待って!それは、間違いだよ!
陸運局で、ナンバーから持ち主を調べるのは、
そう簡単なことじゃないんです。
仕事柄、車の手続きには詳しい私が、こっそり
教えますね♪
車のナンバーも個人情報!
陸運局に行けば、車のナンバーから持ち主が
簡単に調べられる、といった手続きが過去には
実際にはありました。
陸運局では、「登録事項等証明書」という名称
を使って発行していますね。
内容は、車検証には記載されていない情報も
載っている証明書です。
しかし、この手続きで手に入れた情報を使って
犯罪に悪用するケースが増えてきたため、
平成19年に、証明書の請求をする時には、
今までのように、ナンバーだけで請求できなく
なったのです。
車のナンバーも、大切な個人情報。
現代社会のプライバシーの厳守は、車社会にも
影響を与えていますね。
では、登録事項等証明書を請求するには、
どんなものが必要になるのでしょうか?
詳しく見ていきましょうね。
手続きに必要なものは?
証明書を発行してもらうには、請求書を
記入する必要があります。
請求書に記入しなければならないのが、
- 自動車登録番号(ナンバー)
- 車台番号
この2つの項目は、1台の車にとって唯一無二に
与えられた数字であるのです。
ナンバーは、言わずと知れたものですが、
「車体番号」は、馴染みが薄いですよね。
車体番号は、エンジンルームや車のフレームに
取り付けてあります。
金属製のプレートに、エンジンの型や色番号と
共に打刻された数字になります。
証明書の発行に必要なのは、車体番号の
下7桁の数字です。
車検証にも記載されていますよ。
この車体番号の全桁が記入できれば、ナンバーが
不明でも、請求する事ができますよ。
ナンバーは、パッと目に付くような場所に
付いているので、わかりやすいですよね。
しかし、車体番号は、車体の表側にはっきりと
表示されている訳ではないです。
しっかりと、その車の情報を確認できるような
立場でないと、難しいものですね。
車体番号がたやすく確認できないからこそ、
請求にも重要視されるのですよ。
その他にも、記入しなければならない項目が
ありますよ。
請求理由により却下される?!
証明書の請求には、何のために使うのか、
具体的な理由を記入しなければなりません。
正当な理由がないと、却下されます。
それほど、厳しい基準で判断すべき証明書で
個人情報のかたまり、と言っても過言ではない!
証明書から得た、高級車の所有者の住所が
簡単にわかったら、窃盗に使われる恐れも
ありますからね。
その他に必要なものとして、
- 窓口に来た請求者の氏名・住所
- その本人確認のための書面
が必要になります。
本人確認の書面の例として、運転免許証、
健康保険の被保険者証、外国人登録証明書、
住民基本台帳カードなど。
請求書に記入した住所と同じものが記載された
書面が必要になりますよ。
まとめ
このように、陸運局で車の持ち主を調べることは
非常に制限のある手続きになります。
これも、自分の個人情報を守るための大切な
盾なのかもしれませんね。
この話を友人にしたところ、
「あら、いつの間に変わったのかしら?」
と、驚いていましたが、陸運局に乗り込む前で
本当によかった・・・・。
保険会社からの助言もあって、すぐに警察に
届け出ることにしましたよ。
驚くことに、その日には犯人がわかった、
とのこと!
悪いことはできませんね・・・。