会社の後輩から、相談を受けました。
彼には、付き合って1年になる
彼女が、いるんだそうです。
「最近彼女の方から、
『そろそろ、私の両親に挨拶に・・』
という話が、出ているんですが、
色々気になって、躊躇しているんです。」
彼女は、父親が一流企業勤務で、
母親がピアノ講師、
という家庭で、育ったそうです。
中学からずっと、私立の女子校に通っていて、
経済的に、恵まれている家庭だということです。
一方彼は小さい頃、両親が仲が悪く、
結局離婚したため、母子家庭で育ち、
現在母親は、会社勤めをしていて、
アパート暮らしをして
いらっしゃるそうです。
「彼女は、立派な一軒家に、住んでいるし、
グランドピアノもある。
自分の誕生日に、家族パーティーや
プレゼントを貰った話、家族旅行の話、
日常生活の、エピソードなどを
いつも楽しそうに、話してくれます。
僕はといえば、親からプレゼントを貰うとか
誕生日会みたいなこととか、
してもらったことは、まずありません。
彼女からプレゼントを、貰ったりしても
どうしたら、いいかもわからず、
『いいよ、そんなこと』みたいな態度しか
とれなくって、スマートに
『有難う。うれしいよ。』という感じで
受け取ることが、出来ないんです。
彼女のおしゃべりを、聞いているのは、
最初の頃は、楽しかったです。
だけど最近、虚しくなってきて・・。
彼女の話を、聞いてると
劣等感が、物凄く湧いてきて、
情けなくて、家庭環境の違いは
やはり大きいのかなと、感じてしまうんです。
結婚は同じような、家庭環境で育った人のほうが
うまくいくと、聞きますが、
本当に、そうなんでしょうか?」
交際を始めたばかりの頃は、育ってきた環境や、
生活水準などの違いは、
全く気にならなかったのが、
『結婚』が視野に、入ってくると、
お互いの、親のことなども含め、色々気になることも
多くなってくるものですね。
家庭環境が似ている場合
「必ずしも、家庭環境が似ていれば
うまくいくとは、限らないわよ。
同じような、家庭環境でも、
離婚する人は、離婚するし、
うまくいく人は、うまくいってるわよ。
『うまくいく』というより
『細かい説明を、しなくても
生活のルールが、通じる』
と言うこともあるから、
『楽』では、あるでしょうね。
確かに、家庭環境が似ていれば、
価値観や、経済観念なども、
近くなるでしょうから
変な『劣等感』や『嫉妬』を
相手の家族に、感じずに
済むかもしれないわね。
でも、だからって、全て丸く納まるとは
いかないのが、人間の不思議なところ。
近い分だけ、小さな差が目立つ
と言うことだって、あるわよ。
私の知っている夫婦は、
旦那さんの、洗面台の使い方が
汚いっていう理由で、揉めたらしいです。
『洗顔、歯磨きはもちろん、
手を洗うだけでも、洗面台が水浸し・・。
いつも鏡に、水や歯磨きの飛沫が
飛び散っている状態は、
本当に毎日のことで、我慢できなかった』
そうですが、こんな他愛ない事でも
離婚に発展するので、驚きます。
もちろん、一事が万事でしょうから、
この夫婦の、離婚原因は
他にも有ったので、しょうけど。
ただ、周りを見ても、家庭環境が似ている
カップルのほうが、揉め事は少ないように
感じるわね。
逆に、揉め事が多くても
不思議と、続く人もいるし、
こればっかりはね。」
家庭環境が異なる場合
「家庭環境が、かなり違っていても、
結婚して、うまくいっているという方も
いらっしゃるんで、しょうか?」
「うまくいっている、カップルは、
色々なケースが、あるとは思うけど、
一つはっきり、考えられる理由は、
それぞれの家庭環境を、それなりに
尊重していると、言うことだと思うわよ。
どちらが上、どちらが正しいなどと
つまらない優劣を、つけないこと。
お互いそれなりに、きちんと社会人として
生活できている、訳だから、
それを批判するのは、おかしいという
常識があるか、どうかだと思うわよ。
どちらか一方が、自分の正義感を振り回して、
相手の家庭環境や、親兄弟などを
悪く言えば、問題はこじれるだけ。
常にお互いを、思いやって、
相手が、幸せになる方法を考えて
行動すれば、
回りまわって、それが自分の幸福にも
繋がるものだと、思うわよ。」
但し結婚は、生活そのものですし、
二人の問題であって、二人だけの問題ではない
という複雑な側面も、あります。
全ての責任は、夫婦二人にある訳ですが、
たくさんの問題や障害は、夫婦の周りから
降りかかってくることも、多いものです。
つまり、お互いの親兄弟、親戚などの
問題ですね。
結婚と家族の問題
私としても、あなたを応援したい気持ちも
あるけれど、
これまでいろいろな、カップルを見てきた
経験から現実を、正直に言うと、
女性側が、恵まれない家庭に育ち、
男性側が、豊かな家庭に育った
という場合は
うまくいくことも、そこそこあるようですが、
残念ながら逆の場合は、とても難しいようです。
それはどうしても、結婚というのが
家同士の、結びつきであり、
また、娘を「嫁に出す」、という意識から
女性側の両親が、猛反対することが
多いからなんです。
どんなに男性が、誠実で素晴らしい人で
あったとしても、
結婚という話しになったら、必ず女性の両親は、
当人だけでなく、親のことや
育った環境のことなどを、気にしてきます。
勿論、娘さんの幸せを、願う気持ちからの
反対が一番でしょうが、
同時に、結婚すれば相手の家族と
自分の家族は、親族になる訳で、
親のみではなく、
様々な場面で、親戚一同と顔を合わせる機会も
できるため、どうしても娘の嫁ぎ先を
気にせざるを得なく、なるからでしょう。
彼女は、かなりいい家庭の
お嬢様のようなので、
御両親の反対は、目に見えるようです。
そして、このような良い家庭に
育った娘さんは、
「親に反対されてもいいから、彼をとる」というより、
「親が悲しむくらいなら、彼と別れる」
と考える人が、多いみたいなんです。
ただ、誤解しないで、もらいたいのは、
女性の御両親が、絶対に反対する
場合ばかりでは、ないということです。
現に、私の周りにも、
「奥さんは、中流家庭に育ち大卒だけど、
旦那さんは、父親が病気がちで、
家が貧しいかったため、経済的理由で
進学できずに高卒。」
という夫婦が、いらっしゃいます。
でも、「好きになった人と、一緒になるのが一番」
と奥さんの親に、反対されることもなく
今は2人の子供にも、恵まれて、
幸せに暮らして、いらっしゃいますよ。
終わりに
育った環境は、あなた自身の
作ったものでは、ないんだから
あなたが劣等感なんて、持つ必要はないと
思いますよ。
確かに、家庭環境が似ていれば、
ストレスは少ないかも、しれませんが、
考えてみて下さい。
もしあなたが、彼女ではなく、
自分の環境に似た人と、お付き合いしたと
しますね。
確かにお話は、とてもあうかもしれませんね。
もうほとんど、ツーカーという感じで、
お互いの言うことが
「うんうん、分かる分かる」という感じで、
すぐに親しく、なれるかもしれません。
だけど、それは彼女を失ってまで、
あなたが手に入れたい、ものなのでしょうか?
彼女を愛しているなら、
「彼女と一緒に、幸せになりたい」という
『未来』だけを考えて、
努力すればよいのでは、ないでしょうか?
あなたが、彼女に魅力を感じ、
「彼女ともっと深く、付き合うことで、
これまでの自分が、知らなかった
世界の扉を開きたい。
結婚出来れば、どんなにステキだろう・・。」
と感じているのなら、
『これからどうすれば良いのか』を、
中心に据えて、考えていけば、
いいのでは、ないでしょうか。
彼女とうまくいくよう、祈っていますよ。