うちのベランダ越しの通りに、何軒かの居酒屋があります。
そのせいで夜もにぎやか。楽しそうに飲んでいる人たちの声ならば特に気にもならないのですが、時折悪酔いした人の大声や、言い争うが聞こえてくることも。
先日、どうやら客同士の諍いがエスカレートしたらしく、路上に出てきて口論に。どんどんヒートアップして、挙句の果てには「ぶっ殺すぞ!」などと物騒な言葉と尋常じゃない叫び声が。
騒ぎが収まるまで気が気ではありませんでした。
結局この時はこれ以上エスカレートすることはなかったようですが、あまりに度が過ぎる場合は放っておくのもどうかと思います。こんなとき、警察に通報したほうが良いのでしょうか?
110番に通報したら
通報した場合、電話口で以下のような質問がありますので、落ち着いて内容を伝えましょう。
- 何があったか
- その出来事は通報の何分前のことか
- 場所はどこか。住所や目標となる店舗や建物、階数など
- 被害や目撃の状況、けが人の有無
- 当事者の様子 性別、人数、年齢、服装や逃走方向など
良心から通報したものの、事件とかかわりあいたくないために匿名にしたい場合もあるかと思いますが、現在は通報者の電話番号は警察側にすべて表示されるシステムです。こちらが非通知発信の場合も同様に表示されます。
さらに固定電話の場合は、データベースからリアルタイムで加入者の住所、氏名もわかるようになっています。匿名にする意味はないと言ってよいでしょう。
通報者のリスクとは?
一方、通報することで何らかのトラブルに巻き込まれる心配もあるようです。
通報者の特定
トラブルを起こした当事者が近所の顔見知りだった場合、通報したのが自分であることがバレてしまうと、その後の近所づきあいに支障をきたしたり、逆恨みを買うことも。なるべく相手には自分が通報者だという事実は知られたくありません。
けれど集合住宅などで通報者が限定される場合、おおよその察しがついてしまうことも。
また、警察は基本的には個人情報を漏らすことはありませんが、現場での警官の行動から通報者が想像できてしまう可能性も否定できません。
いたずらと勘違いされる
通報したときは尋常じゃない騒ぎでも、警官が駆け付けた時には何もなかったように収まっている場合も。そうなると通報自体をいたずらと勘違いされて、逆に尋問されてしまったというケースもあるようです。
それでも通報すべき
「そういえば悲鳴を聞いた」
「30分以上大きな物音がしていた」
大きな事件が起きた時、事件後の近隣住民の話しでよくこんな言葉を聞きます。もしも事前に通報していたら、被害者を救うこともできたかもしれません。
とは言うものの、言い争う声はもしかすると単なる家族や友人同士の痴話喧嘩かも。先に紹介した通報者になることのリスクを恐れて、踏み込む判断もつきにくいものです。
けれどやはりただごとではないと感じる異変があったときは、通報することは大切です。
おそらくほとんどの場合、取り越し苦労に終わることになるでしょう。けれどそのうちの何件かが深刻な事件になるのなら、通報することは大変に意味のあることなのです。
さいごに
110番の受信件数のうち、約3割が緊急性のない問合せや相談、または完全ないたずらなどだそうです。通報しようと思ったとき、それが緊急性のあることなのか考えてみることは必要でしょう。
けれど気づいたトラブルの延長戦上に誰かの身の危険が想像できるなら、躊躇せずに通報する勇気を持ちたいものですね。