ミニ盆栽の作り方♪挿し木からも出来るって本当?

新しいマンションに、引っ越した
親友のA子からの

「そろそろ、ウチも片付いたから
 遊びにおいでよ。」

というお言葉に甘えて、早速
手土産を持って、出掛けてきました。 o(^-^)o ワクワク

やっぱり、新築のお家っていいですね。
シンプル&ナチュラルな、生活にこだわる
A子だけあって、

スッキリとした、ステキなお部屋です。
と、出窓に小さなグリーンが、
いくつか置かれているのが、目に入りました。

近寄ってよく見ると、手の平に乗るような
小さな、観葉植物が!

私「なにコレ~!チョーかわいいっ!」 (*´艸`)キャー

A「へへっ。実は、これ盆栽なんだ。」

私「へっ!?盆栽って、A子いつから、
  そんな渋い趣味を、持つように
  なったの?」

A「ナニ言ってんのよ。
  最近、ミニ盆栽って若い人の中にも
  はまってる人が、多いんだよ。」

私「へぇ、そうなの?

  ウチのおジイちゃんも、盆栽が趣味
  だったけど、時間も手間もかかって
  大変そうだったよ。

  第一、すごいお金がかかるって、
  言ってたわよ。」

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A子によると、
「堅苦しい・手入れが難しい・お金がかかる・
 年配の方の道楽」という、盆栽のイメージは
 一昔前のもの。

最近では、ミニ盆栽といって、
比較的簡単に、育てられて、

ファッション感覚でも、始められる
タイプのものが、若者や外国人等にも
人気があるのだそう。

A「それにね、お金がかかるって言うけど、
  この木は私が、育てたものだから、
  実質ゼロ円、なんだよ。

  実は、これらのミニ盆栽は
  実家にある木を、剪定したものを
  挿し木にした、ものなの。」

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お庭の木や、近所の公園で剪定された枝
こんなにかわいい、ミニ盆栽に
仕立てられたら、ステキですよね。

っていうことで、A子に挿し木の方法と、
ミニ盆栽の作り方を、ちゃっかり
教えてもらう、ことにしました。

挿し木の方法

挿し木って、どんな木でもできるのでしょうか。

挿し木に向いている木

A「挿し木ができる植物って、色々あるんだけど、
  中でも『盆栽』向きの、木っていうと、

  サクラ、モミジ、百日紅、ツツジ・サツキ、
  クチナシ、石榴、ボケ、エゾマツ、
  ツルウメモドキ、杜松、杉、紅したん、

  楡欅(ニレケヤキ)、黄梅、柳、イチョウ、
  イワヒバ、ピラカンサ
  なんかかしら。

  気温なんかの、条件もあるから
  できるだけ、その土地で育っている木を、
  選んだほうが、育てやすいわよ。」

私「そう言えば、ウチの実家に
  サツキの木が、あったわ、
  早速チャレンジして、みよ~うっと!」

A「チョッと待って、挿し木って
  時期を、選ばないと
  うまく付かないのよ。」

挿し木に向いている時期

A「実は、木の種類によって
  適期は違うと、いわれているの。

  ・落葉樹が、2~3月の芽吹き前・
   6~7月の梅雨時(梅雨ざし)

  ・常緑樹が、3月・6~7月・9月(夏ざし)

  ・針葉樹が、2~3月・6月

  私がお勧めするのは、
  6月の梅雨時期の、挿し木。

  というのも、梅雨っていうのは、
  『湿度が高い』『気温が適度(20度以上)』
  という

  大抵の植物を、挿し木するのに
  適した条件が、揃っているからなの。

  但し、湿度が高すぎて、
  葉っぱや茎が、腐ってしまうことが
  あるから、その点は注意してね。

  さて、ここで穂木(ほぎ)の作り方を、
  説明しとかなくっちゃ、いけないわね。」

私「穂木って?」

A「挿し木用の、枝のこと。
  枝なら、ドレでもいいって
  訳じゃないのよ。」

穂木の準備

A「春先の挿し木には、
  前の年に、できた枝で、
  よく発達した枝を、選ぶこと。

  梅雨挿しや、初秋の場合は、
  今年延びた枝で、よく日に当っている
  場所から、採ってくること。

  淡緑色の、柔らかい枝の先端は、
  よく伸びそうに、感じるけど、

  実はしおれやすくて、適さないから
  注意してね。

  太さ、3~5mm程度、
  節間が狭い、充実した枝、
  長さ6~7cm程度で、3~5節程度、

  の穂木を、準備すること。
  失敗する可能性も考えて、
  多めに、用意してね。

  穂木は、根に近い側の切り口を
  少し斜めになるように、

  よく切れる、カッターナイフなどで
  切り戻す必要が、あるんだけど、

  出来ればこの作業は、水中で行う
  『水切り』で、行うといいわね。

  この後、清潔なビンなんかに水を入れて、
  穂木を浸し、急ぎの場合は
  30分~1時間

  出来れば、6~12時間程度
  そのまま水あげ(吸水)させて
  おくことが大事よ。」

私「水を切らすと、枯れちゃう
  ってこと?」

A「そうなの。そのためにも、
  気をつけないと、いけないのが、
  葉の残し方

  土に差す部分の葉を、取り除いておくのは
  当然なんだけど、葉が全くないというのも
  挿し木が、うまくいかの。

  挿したばかりの枝は、根がないから、
  吸い上げる水の量が、少ない訳。

  だからたくさん葉を、つけていると
  葉から水分が、蒸発して
  枯れてしまうの。

  どれくらい葉を、残すといいのかは、
  木の種類や、葉の大きさによっても
  違いがあるから

  一概には、言えないけど、経験上
  4枚以上、葉を残した場合は、
  失敗しやすいようよ。

  あっ、それから葉をとる場合は、
  手でむしらずに、必ず、
  よく切れる鋏や、カッターで切り取ってね。

  切り口が、つぶれていると、
  そこから腐る、恐れがあるの。

  穂木が用意できたら、いよいよ
  土に挿すわけだけど、

  肝心の、挿し木の床(とこ)の
  準備が必要ね。」

挿し木の床作り

1.挿木用鉢としては、清潔な深さ
 20~10cmの、鉢・プランター若しくは、

 水抜きの穴を、開けた
 発泡スチロールの箱を用意。

2.底の穴に、網を当てて、
 粒の大きな、赤玉土か鉢底石
 深さ2~3cm、敷き詰める。

3.用土は、『挿し木専用土』を準備し、
 5~8cmくらいの、深さに入れ、
 水をかけて、濡らしておく。

挿し方

挿し木の床に、割り箸などで
穂木の長さの、1/3~1/2程度の深さで
斜めに穴を開けておき、

切り口を、傷めないよう、
丁寧に穂木を、挿していきます。

節の部分から、発根しやすいので、
1節は土中に、埋めるようにしましょう。

葉同士が、重なり合わないよう、
大体3~5cmほど、間隔を開けます。

挿し終わったら、挿し木床全体に
タップリと、但し、静かに水やりをし、
用土と穂木を、なじませます。

置き場所と管理

管理場所は風や雨、直射日光などが
当たらない、明るい日陰

A「この状態で、発根を待つ訳だけど、
  発根にかかる日数って、
  植物によって、まちまちなの。

  大体2~3週間くらいが、多いって
  言われているけど、樹木類では
  1~6ヵ月かかるものも、あるそうよ。

  注意する点は、発根までは、
  絶対に挿し穂と、挿し木床を
  乾燥させないこと。

  根が出たか、見たくなるけど、
  決して抜いたり、動かしたり
  しないこと。

  芽が出たら、徐々に日の当たる
  場所に置いて、日光に慣らして
  いくようにしてね。

  穂木から出た新芽が、盛んに生育
  し始めたり、挿し木床の底穴から
  根が見えて、きたりしたら、

  鉢上げ、つまり挿し木床から
  鉢への植え替えが、できるわよ。」

私「いよいよ盆栽を、作るのね!」

ミニ盆栽の作り方

A「盆栽作りには、色々な専用の道具
  あるんだけど、最初から揃えなくても
  全然、大丈夫だよ。」

用意するもの

道具類

 ・ハサミ

 ・割り箸

 ・土入れ

 ・ジョウロ

 ・アルミニウムの針金(太さ1.2~1.5mm)

 ・ペンチ・ニッパー

A「ハサミも盆栽用に、様々な種類が
  あるんだけど、取り敢えず、

  家庭用の普通の、ハサミでOK。
  ただし、切れないハサミは
  使わないでね。

  割り箸は、先が細いほうがいいから、
  3~5cmくらいを、カッターで細く
  削っておくといいわね。

  それから、園芸用の土入れがない場合は、
  プラスチックのレンゲで、代用できるわ。」

鉢類

 ・鉢

 ・鉢底ネット

 ・用土

  排水用のゴロ土:赤玉土の小粒
  植込み用土:赤玉土の極小粒と
        鹿沼土の小粒を、2:1で混合

A「ミニ盆栽用の鉢は、専門店だけじゃなく、
  ホームセンターや、100円ショップでも
  購入できるわ。

  鉢は、余り小さいものだと、
  乾きやすいから、

  初めてミニ盆栽を、作る場合なら
  深さが5cm以上、直径も10cm程度ある、
  丸い鉢が、扱いやすいと思うわよ。」

鉢の準備と苗木の植え込み

1.鉢底ネットを、押さえるための
 針金をセットする。

 ・鉢の穴に、鉢底ネットをセット

 ・長さ5cmほどに、カットした針金を
  逆U字形に曲げ、鉢底ネットの上から通す。

 ・鉢底の裏に出た針金を、外側に曲げ、
  鉢底ネットを、固定する。

2.苗木を固定するための、針金をセットする。

 ・針金を、苗木を押さえられる
  長さに切って準備する。

  大体、25~30cm程度。
  後で切って、調整できるので、
  長めにして、おくほうがよい。

 ・針金をU字形に曲げ、鉢裏から通す
  なるべく、鉢底ネットを止めた穴と
  同じところを、通すとよい。

 ・鉢の内側へ、通された針金は
  土を入れるときに、邪魔にならないように、
  U字を押し広げ、

  各々、鉢の向かい合う位置の
  内壁へ沿わせて、端を鉢の縁にかけて
  外へ出しておく。

3.排水用の赤玉土の小粒を、鉢底へ敷く。

 鉢の深さの、1/5程度入れます。
 ゴロ土が多すぎると、盆栽が乾きやすく
 なるので、注意すること。

4.植え込み用の土を、同程度
 (深さの1/5、合計で深さの2/5)入れる。

5.苗木を鉢にセット後、固定するために
 針金の先端部分を合わせ、ねじって結ぶ。

 あくまで、針金を巻きつけるのは
 苗木の根元
 根っこでは、ありません。

6.しっかり固定できたら、
 針金の余分な部分を、ペンチなどで切る。

7.鉢の、空いている部分に、
 植込み用土を、詰める。

 このとき、割り箸を鉢底まで
 ゆっくり差して、十分土を
 すき込むこと。

8.手指で、ギュウギュウ押さえる
 などして、土を固めていく。
 必要なら、更に用土を足します。

9.ジョウロで株元に、たっぷり水をやる。

 初めは濁った水が、鉢底穴から出るので、
 その水が、透明になるまで
 たっぷり水を、かけます。

10.好みにより、仕上げの苔をはる。

A「苔は、ネットや園芸センターなんかで
  売っているところも、あるんだけど、

  まずは身の回りで、探してみるのも
  いいんじゃないかな。

  苔って、色々な種類があって、
  盆栽に、不向きなものも
  あるんだけど、

  経験上、コンクリートや石
  生えた苔の方が

  街路樹の根本、なんかに
  生えている、苔より
  向いているようよ。

  苔をはると、ぐんと盆栽らしい
  落ち着いた雰囲気に、
  まとまるわよ。」

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何だかワクワクして、すぐにでも
やってみたく、なってきました。

そこで最後に、ミニ盆栽を育てる上で
とっても大切な、ことである、

日頃のお手入れの仕方を、
教えてもらいました。

盆栽の基本的な手入れの仕方

置き場所

 できるだけ日当たりと、風通しの
 良い場所に置くこと。

水遣り

 「鉢土が乾いたら、鉢底から
  流れ出るくらい、たっぷりやる」
 が基本。

 冬の間は、数日に1回程度、
 春と秋は、1日1回、
 夏場は1日2~3回を、目安にしますが、

 ミニ盆栽は、土の入るスペースが
 小さいため、鉢土が乾きやすいので
 よくチェックして、おくことが必要です。

肥料

 ミニ盆栽は、鉢が小さいので、
 栄養不足に、なりがち。

 基本的に、成長期である
 寒さ対策として、
 盆栽用の玉肥、などを与えます。

植え替え

 小さい鉢の中でも、植物の根は
 確実に、成長しています。

 定期的に、植え替えをしないと
 根と土が、固まってしまい、

 水分も栄養分も、吸収できなく
 なってしまいます。

 植え替えの周期は、樹種によって
 異なりますが、おおよそ2年に1回
 目安にします。

 時期としては、芽が動き出す頃が
 一般的です。

おわりに

「お手入れ簡単」が、謳い文句の
観葉植物も多いなか、盆栽は逆に
手間と暇と愛情をかけて、育てていくもの。

A子によれば
「手間をかければ、かけるほど、
 かわいさも、ヒトシオ。」なんだそう。

基本さえ、押さえておけば、
何年でも楽しめる、といわれる
ミニ盆栽。

何だか私も、ハマッてしまいそうな
予感がします。

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